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自分らしい家づくり

土間やキッチンを中心に家族それぞれが趣味を楽しむ家

ゆとりのある充実した人生を過ごすために欠くことのできない趣味。新しく家を建てるにあたって、家族それぞれの趣味は、できるだけ尊重していきたいものです。今回は、料理をするためのキッチンを中心に、家族みんなが楽しめる住まいを作り上げたKさんの家づくりを紹介します。

埼玉県・K邸

家族構成/四人家族
設計/湯浅剛+湯浅景子
敷地面積/175.25m²(53.11坪)
延べ床面積/122.17m²(37.02坪)
構造/木造軸組工法、地上2階建て

仕事場と住まいを両立する住まいのポイントとは?

  • 料理好きなご主人のため、作業スペースとしての土間がほしい。
  • ご主人と奥様の身長差を考慮したキッチンを実現したい。
  • ご主人がこもれる書斎とトレーニング場がほしい。
  • 奥様が編み物や縫い物をするためのスペースがほしい。
  • 本が好きな長女のために、読書スペースを設けたい。

料理を楽しむ土間ダイニングとご主人専用キッチン

Kさんのご家族は、ご夫婦と10歳の長女、3歳の長男の4人家族。ご主人は料理が趣味で、時間をかけてしめ鯖やおでんなどを作ったり、休日にはお好み焼きをふるまったりと、かなりのクッキングパパぶりを発揮しているとのこと。

普段から料理の下ごしらえをしたり、梅酒を漬けたりする、料理好きのご主人のたっての希望は、土間空間を造ることでした。この土間の必要性は、実は奥様との身長差から。奥様に合わせた高さのキッチンで作業をしていると腰が痛くなるご主人は、自分の作業部屋としての土間が欲しかったというわけです。
OZONE家づくりサポートの設計コンペでこの要望に思いがけないプランを提案したのが、採用された設計者の湯浅剛さんと景子さん。

「ご主人用のシンクも作れますよ、との言葉に目からウロコでした。
2つのキッチンをつくるなんて!最初、建築家はハードルが高いというイメージがあり、人生観は?なんて聞かれたらどうしようかと思っていたんですよ。それでも、自分たちの好みや暮らし方を叶えてくれそうな建築家に頼みたいと思っていました。湯浅さんは、私たちと同じ目線で話しをしてくれてるし、こんな大胆な提案も建築家ならではだなと感じました」とKさん。

こうして設けられた土間には、ご主人専用のキッチンを設置し、床はタイル貼りに仕上げられ、「レガレット」という床下暖房を採用。寒い季節でも快適に食事ができます。

趣味を楽しみながらも、家族の気配が感じられる奥様専用キッチン

1階の軸となっている奥様用キッチンは、土間ダイニングやリビング、和室、テラスと、どの空間も見渡せる場所にあり、奥様の司令塔といったところ。リビングから2階へ吹き抜けを通じて、家族がどこにいてもその気配が伝わります。

土間とテラスは同じタイルで仕上げられており、そのまま気軽に出入りできるので、もう一つの屋外ダイニングのような存在に。天気のいい日に、庭の景色を眺めながらティータイムや食事なんて、洒落たひとときを楽しむこともできるのです。
そんな1階のキッチンの脇に設けられたのが、奥様の編み物・縫い物コーナー。材料を広げたまま作業を中断して、すぐに家事に戻れるキッチンとの配置も絶妙。
その向かいにはパソコンコーナーがあり、こちらも家族が利用するのに便利で安心な場所が考慮されているのが感じられます。

読書を自由に楽しめるスペースや空間づくり

吹き抜けの階段をのぼりきった場所には、本好きな子どものための読書用ベンチを設置。昼間はトップライトの光が降り注ぎ、夜はスポットライトの下で読書が楽しめます。

ベンチから真っ直ぐに延びる廊下の壁面には、家族の本を集めた本棚とマガジンラックを設置。小さなライブラリーのようなその場所で、子ども達は無心に読書にふけっています。

ご主人希望の「こもれる書斎」はというと、2階の寝室奥にひっそりと存在しています。まるで隠れ家のように、寝室から階段4段低い位置に設計。このこじんまりとした空間が、ご主人にとっては自分自身に戻りひとりの時間を楽しむ息抜きの場となっているようです。

建築家ならではの絶妙なデザインバランス

2階まで吹き抜けの広いリビングは、床板と天井にカラ松を使用し、壁面は珪藻土による仕上げ。シンプルでありながら木と白壁のバランスが絶妙で、建築家ならではのこだわりがうかがえます。

小さな吹き抜けには、登りロープを設置するという遊び心も。足がかりになるように壁は板張りにし、子ども達はぶら下がったり、壁によじ登ったりと大喜びです。

リビングには奥様の希望だった家族の思い出の品を置く飾り棚も取り付け、おばあさまが使用していたアイロン台やお父様の仕事道具が懐かしく並びます。本を読む時も気が付けば、読書用ベンチだけでなく、リビング、キッチン、パソコンコーナー、ダイニング、子ども室と好きな場所でいつの間にか読みふけっているそう。住んでみて、1階の天井の高さが様々に変化していたり、居心地のよい絶妙な空間のバランスを改めて実感されているようです。

家づくり成功のポイント

家族それぞれの「こういう空間が欲しい!」という要望をすべて叶えるのは、設計段階でとても難しい場合があります。しかし、家族それぞれが、こうしたいという具体的な要望を1つずつ挙げてみる。そのうえで、自分たちと同じ目線で話しができ、一緒に家づくりを考えていける建築家と出会ったら、それも夢ではありません。自分だけでは思いもつかなかったような、素敵なプランが見つかるかもしれません。とにかく、要望は具体的に。そして建築家という家づくりの良きパートナーを見つけて、信頼し、希望を形作っていくことが成功につながる鍵です。

建築コーディネート OZONE家づくりサポート
写真 大槻 茂

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